連載 2017.2.28
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【インタビュー】三菱レイヨン 岩中華栄さん

【インタビュー】三菱レイヨン 岩中華栄さん

「野心だけはひと一倍です」夢は自分のシャフトブランド

国立大学の工学部を出て、シャフトメーカーで設計をしている。と聞けば、誰しも生真面目なメガネ男子を思い浮かべるが、今回登場の岩中華栄さんは、いわゆるリケジョ(理系女子)、明るくて華がある。三菱レイヨン初の女性シャフト設計者。ということで、職場の男性はさぞ色めきたったろうと思いきや「誰も女性扱いしてくれません(笑)」。入社2年目の奮戦記を―。

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ダンゴ虫

―リケジョということですが、大学では何を学びましたか。

横浜国大の工学部で、破壊力学や材料強度学を学びました。学内に工場みたいな施設があるんですね。大学4年生から大学院までの2年間、トータル3年間はそこの研究室で、毎日油まみれでスパナを持って、悪戦苦闘の日々でした。

―よくわからない‥‥。

簡単に言うと、壊れやすい材料を強くする研究なんです。本当は化粧品に応用する界面化学、要するに白衣を着てフラスコを振るような研究をしたかったのですが、どういうわけか、スパナ持って油まみれの道を選んでしまって(笑) 。わたしの専門材料はセラミックスでした。この材料は陶器みたいな感じで、強度はあるけどちょっとのヒビで割れてしまう。なので、ロケットのガスタービンとかに使う場合は、短繊の材料を入れて複合材料化して強くするとか。そういった研究です。

―それで油まみれ?

はい。研究室では材料の曲げや疲労試験のほかにも、ベアリングで回して摩擦による傷のつき具合や、スパナで試験片を固定したり、力仕事も多かったんです。

―そういった道を選ぶというのは、幼少期から変わっていた?

ヘンな子だね、ってよく言われました(笑)。お気に入りの服があるとそればっかり着ていたり、ダンゴ虫の中身ってどうなっているんだろうってバラバラにしたり。とにかく好奇心が旺盛・・・・。アッ、ダンゴ虫は書かないでくださいね。

―面白いから書きましょう。で、就活は?

素材メーカー狙いでした。2015年4月に三菱レイヨンへ入社して、グループのMRCに出向しています。配属は開発部で、ゴルフシャフトの設計開発に携わっています。

―楽しいですか。

楽しいことはありますよ。まさに今、楽しいです。こういった取材を受けるなんて思いもしなかったし、いい気分転換になってます(笑)。

チャリで3分の寮住まい

―一日の動きを教えてください。

分かりました。事業所(向上)は豊橋(愛知県)にありまして、そこからチャリで3分の寮に住んでいます。起床は7時、出社は8時で、本社の出社時間より1時間以上早いんです(泣)。

開発部は7名で、わたしは素管の設計担当です。出社してから30分ほどは前日に巻いたシャフトの検査を全員で行い、9時くらいからデスクワークがはじまります。

―具体的には?

わたしの場合、クラブメーカーさんから依頼を受けて、OEMシャフトを作るのが中心です。例えば。『走るシャフト』の要望に対して、CADを使って積層構成を考えて、どの弾性率の材料をどこに使うとか。テーマはその時々で違いますけど、最近多いのは軽量化ですね。わたしが達成した最軽量は30.5gで、そのときは樹脂量が少ないプリプレグで、弾性率は高め。9~10種類の材料で仕上げました。

―ヨネックスは20g台に突入した。

20g台は、よっぽど凄いと思いますよ。でも、大事なのは求められる性能に対する完成度なので。

―入社してからほぼ2年ですが、自分の設計が製品化されたのはいつ?

実は、クラブメーカーさんから承認を得るのに丸一年掛かりました。それ以前は、すっごい時間食って、ゴミばっかり作ってしまい・・・・。ですから、最初に承認を頂いたときは本当に嬉しかったですね。

今、わたしのメインは某大手メーカーさんのシャフトで、去年の4月に部長からわたしに担当が代わったんです。こんな2年目のぺーぺーに大きなメーカーさんを下さって、これまで築いた信頼をわたしがダメにしたらどうしよって、凄い責任とプレッシャーを感じてしまい、破損事故は絶対にダメ、これは最低条件として肝に銘じています。

―岩中さんのシャフトは「切り口が面白い」そうですね。社内の開発コンペでも決勝の2名にのこったとか。

はい。そのときは次の 『フブキ』 で、とにかく飛んで掴まるシャフトを作れ、あとは何をやっても自由だと。そこで、めっちゃいい材料使ったれ! と気合を入れて、後先考えずにやったら2位でした(笑)。

―ゴルフ経験はありますか。

練習はやっていますけど、コースに出たことはないんです。

「叙々苑」に行きたい

―未経験が開発の足枷になる?

う〜ん、それはあまり感じませんね。例えば手元がピュンとビューンの違いや、切り返しでククッといったニュアンスに対しては、柔軟な想像力を働かせていますので。

―ゴルフに対する印象は?

やっぱり、高い&おじさんのスポーツです。本音ベースでは、ゴルフに使うお金があったら、普段は1000円のマスカラを3000円にしてみようとか、回らないお寿司を食べたいし、焼き肉が大好きなので叙々苑にも行ってみたい・・・・。

―行ったことない?

ありません(涙) 。でも、ドライバーショットがピューッと飛んだら、凄く気持ちいいだろうなとは思いますね。3月にはコースデビューしそうなので楽しみです。夢は、自分のシャフトブランドをデビューさせること。野心だけは、ひと一倍あるんです(笑)。

今回のインタビュー

岩中華栄さん(三菱レイヨン・グループ エムアールシーコンポジットプロダクツ開発部 開発 G)

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1991年2月2日生まれ、三重県出身。2015年3月に横浜国立大学大学院(工学部物質工学科)を卒業、同年4月に三菱レイヨン入社、系列シャフトメーカーのエムアールシーコンポジットプロダクツに出向、開発部に配属されシャフト設計を担当中。血液B型、趣味は旅行。

 

GEW女子部 編集部

ライタープロフィール:GEW女子部 編集部

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